2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

四十挺の拳銃

★★★★☆:1957年/アメリカ/80分/モノクロ 感想メモ:リオ・ブラボーのバーデッド兄弟ばりに西部のある町を統べる荒くれ女王ジェシカ(バーバラ・スタインウィック)。のっけから凄い迫力で走るジェシカ一家の荒くれものどもの馬たちの巻き上げる砂埃につつまれ…

恐怖のメロディ

★★★☆☆:1971年/アメリカ/102分/カラー 感想メモ:スクリューボール・コメディとやっていることは同じなのに、それを裏返したように加速していくイブリン(ジェシカ・ウォルター)の鬼気迫る表情は魅せる。うひょー出たー!って感じの恐ろしい形相のアップがリ…

ベルリン・天使の詩

★★★★☆:1987年/ドイツ/128分/カラー 感想メモ:空中ブランコの上ですっきりとしなやかに屈伸するソルヴェイグ・ドマルタンの美脚を眺めながらこれまで幾たびも甘い眠りに落ちた作品。目が覚めるとやはり自分は天使なんかではいられないのだと溜息をつきなが…

シテール島への船出

★★★★☆:1983年/ギリシア/140分/カラー 感想メモ:子が父を探す。映画監督として、そして映画の中で。帰還した、或いは見失った父は、荒涼とした風景の中で、リンゴの歌を歌い踊る。もはやそれまでのものすべてと縁を切ろうとする強烈な磁場に浸された故郷で…

スサーナ

★★★★☆:1950年/メキシコ/87分/モノクロ 感想メモ:ブルジョワ農場経営者の円満な家庭に肩の露出にこだわる淑女脱獄犯スサーナが転がり込むや、欲望が煮え滾り、家庭はボロボロに崩れそうになる、どうせなら崩れてしまえばいいものを、結局、鞭打たれたスサー…

遊星よりの物体X

★★★☆☆:1950年/アメリカ/87分/モノクロ 感想メモ:「ハロウィン」で子供が観ていたこの映画、ハワード・ホークス監督製作指揮なんだと知って、へぇーとちょっと時節はずれの声を上げて観たりして。こっちは笑えるほど安心して観れるけど、マッド・サイエンテ…

遊星からの物体X

★★★☆☆:1982年/アメリカ/109分/カラー 感想メモ:誰がXかを巡って、息詰まる状況。「遊星よりの物体X」を先に観てから観たのだけど、いや、こっちはほんとにどん詰まりな状況が続いて、子供のときはもう、怖くて観ることが出来なかったのだけど、今はあまり…

僕の小さな恋人たち

★★★★★:1974年/フランス/123分/カラー 感想メモ:滑るように流れていく自転車を目で追ううちに、どうしてもフランスの柔らかな日差し、乾燥した空気、その軽やかな色彩で満たされた全編が透き通るような感覚に襲われる。こんなにも澄み切った目を持って、す…

Helpless

★★★★☆:1996年/日本/80分/カラー 感想メモ:空中から俯瞰した揺れる景色が揺らぎながらオープニングクレジット、それが不安定な感覚を揺さぶって、揺さぶって、あまり美味しくなさそうなナポリタンの皿が頭を過ぎながら、2人の「父の死」を廻り、廻る行き所…

赤ちゃん教育

★★★★★:1938年/アメリカ/102分/モノクロ 感想メモ:恥を忍んで告白させて頂くと、個人的には、ケーリー・グラントといえば、「北北西に進路を取れ」しか思い浮かんでこなかったのだけど、それはいかにケーリー・グラントを良く知らないかということを伝えて…

CURE

★★★★☆:1997年/日本/111分/カラー 感想メモ:「オセロー」や「カーテン」を持ち出すまでもなく、ネタ自体はありふれているのだけど、教唆する伝道師マミヤ(萩原聖人)は、勝手にしやがれ!!シリーズに呆れるほどわんさか出てくる困ったちゃんたちに輪をか…

時の支配者

★★★★☆:1982年/フランス/78分/カラー 感想メモ:「ファンタスティック・プラネット」は一撃の下にノックアウトされてしまう変わったアニメだったけれど、この映画のタイム・パラドクスを扱ったシナリオは、標準的なのかもしれない。もちろん面白くないわけで…

神田川淫乱戦争

★★★☆☆:1983年/日本/60分/カラー 感想メモ:黒沢清監督の習作って言ってもいいのだろうか?エディプス的受験生を見つけた娘たちが、母親との関係から解き放ち、すったもんだの大戦争(?)の挙句、転がり落ちてゆく、ただそれだけをゴダールの影響下にまとめ…

カウガール・ブルース

★★★☆☆:1994年/アメリカ/96分/カラー 感想メモ:ヒッピー・フェミニズム的なのだけれど、何故こういう映画なのか?それを理解できるコンテクストを共有しないまま観てしまったので、ちょっと良く分かりませんでした。 ヒッピーよりはビージェネやロスジェネ…

お引越し

★★★★★:1993年/日本/124分/カラー 感想メモ:今までに見てきた相米監督の作品は、人物が、テレビ画面上では豆粒大なので映画館で見ないと、との思いが拭い去れなかったのだけど、この作品ではわりに大きめになっていて、構図がピッタリ、ピッタリ、小さな画…

ラルジャン

★★★★★:1983年 フランス 監督:ロベール・ブレッソン 出演:クリスチャン・パティ、カロリーヌ・ラング、マルク・エルネスト・フルノー、ブリューノ・ノペール、ベアトリス・タブーラン、ヴァンサン・リステルッチ、シルヴィー・ヴァン・デン・エルセン、そ…

ガントレット

★★★★☆:1977年 アメリカ 監督:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ウィリアム・プリンス、マイケル・カバナー、その他 感想メモ:いやぁ、凄い。始まって20分くらいで終わりまでのストーリーの…

ハタリ!

★★★★☆:1961年 アメリカ 監督:ハワード・ホークス 出演:ジョン・ウェイン、ハーディー・クリューガー、レッド・バトンズ、エルザ・マルティネッリ、ジェラール・ブラン、ミシェル・ジラルドン、ブルース・キャボット、エドワード・フランツ、その他 感想メ…

上海から来た女

★★★★★:1947年 アメリカ 監督:オーソン・ウェルズ 出演:リタ・ヘイワース、オーソン・ウェルズ、エヴェレット・スローン、テッド・デ・コルシア、グレン・アンダース、その他 感想メモ:「駅馬車」といいこの映画といい、観ていないとちょっとコンプレック…

駅馬車

★★★★★:1939年 アメリカ 監督:ジョン・フォード 出演:ジョン・ウェイン、クレア・トレバー、アンディ・ディバイン、ジョン・キャラダイン、その他 感想メモ:いや、観ておかないといけないかなと思って借りたのだけど、この駅馬車の中には、出発時から様々…

台風クラブ

★★★★☆:1985年 日本 監督:相米慎二 出演:三上祐一、紅林茂、松永敏行、工藤夕貴、大西結花、会沢朋子、天童龍子、渕崎ゆり子、三浦友和 感想メモ:木曜日の夜のプールにバービーボーイズのスク水ダンス、泳ぐの大好きなアキラ(松永敏行 )が、とんだとば…

アカルイミライ

★★★★☆:2002年 日本 監督:黒沢清 出演:オダギリジョー、浅野 忠信、藤 竜也、笹野高史、白石マル美、りょう、小山田サユリ、はなわ、加瀬亮、森下能幸、佐藤佐吉 感想メモ:クラゲというのは元来、御気楽そうな動物で、もちろんクラゲにはクラゲなりの悩み…

河内山宗俊

★★★★★:1936年 日本 監督:山中貞雄 出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、原節子、市川扇升、山岸しづ江、助高屋助蔵、市川莚司(のちの加東大介)、その他 感想メモ:広太郎(市川扇升)によって一度盗まれた小柄(こづか)の価値は、まるであの「こけ猿の壷…

裏切りの季節

★★★★☆:1966年 日本 監督:大和屋竺 出演:立川雄三、谷口朱里、山谷初男、志摩みはる、寺島幹夫、曽根成光、一の瀬弓子、佐藤重臣、足立正生、その他 感想メモ:親友の長谷川を失い、日本に帰ってきたベトナム・カメラマン中谷(立川雄三)の立ち寄った先は…

8人の女たち

★★★★☆:2002年 フランス 監督:フランソワ・オゾン 出演:カトリーヌ・ドヌーブ、ファニー・アルダン、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール、ヴィルジニー・ルドワイヤン、リュディヴィーヌ・サニエ、ダニエル・ダリュー、フィルミーヌ・リシャール…

スピード

★★☆☆☆:1994年 アメリカ 監督:ヤン・デ・ボン 出演:キアヌ・リーブス、デニス・ホッパー、サンドラ・ブロック、その他 感想メモ:「スピード」は、シナリオの時点でもっと推敲してみたらいいのにと思わなくもないad hoc(その場しのぎ)なシーン続出で、そ…

キル・ビル Vol.1

★★★☆☆:2003年 アメリカ 監督:クェンティン・タランティーノ 出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ヴィヴィカ・エー・フォックス、ダリル・ハンナ、栗山千明、國村隼、サニー千葉 (千葉真一) 、その他 感想メモ:第二部を未見なのと、少なくとも酔っ…

神に選ばれし無敵の男

★★★☆☆:2001年 ドイツ=イギリス 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 出演:ヨウコ・アホラ、ティム・ロス、アンナ・ゴラーリ、マックス・ラーベ、ヤコブ・ウェイン、その他 感想メモ:真実、文字通り「力」に溢れた男だが、口下手なジシェ(ヨウコ・アホラ)と迫…

丹下左膳餘話 百萬兩の壺

★★★★★:1935年 日本 監督:山中貞雄 出演:大河内伝次郎、喜代三、沢村国太郎、深水藤子、宗春太郎、花井蘭子、高勢実乗、その他 感想メモ:勝手にしやがれ!!シリーズで連発されている逆接省略話法が、印象的に散りばめられた軽快コメディ。百萬兩の埋蔵場…

勝手にしやがれ!! 逆転計画

★★★★☆:1996年 日本 監督:黒沢清 出演:哀川翔、前田耕陽、仁藤優子、河原崎健三、大杉漣、洞口依子、その他 感想メモ:いつもは冴えない2人だが、今度の2人は、ちょっと違う。というのも、一生に一度の馬鹿ヅキの季節にコウサククン(前田耕陽)が入ってし…