河内カルメン

★★★★★：1966年　日本

• 監督：鈴木清順
• 脚本：三木克巳
• 原作：今東光
• 撮影：峰重義
• 音楽：小杉太一郎
• 美術：木村威夫
• 録音：片桐登司美
• 照明：河野愛三
• 編集：鈴木晄

出演：野川由美子、和田浩治、川地民夫、宮城千賀子、伊藤るり子、松尾嘉代、楠侑子、野呂圭介、長弘、和田悦子、横田陽子、杉山元、島村謙二、柳瀬志郎、加藤ヒロ実、森みどり、西原泰江、若葉めぐみ、深町真喜子、佐野浅夫、嵯峨善兵、日野道夫、桑山正一、その他

　『にっぽん昆虫記』の記憶と重ね、対比させながら観てみたのは単にテーマが似通ってると勝手に思ったからだが、明確に異ってるのは描かれた明るさ。というより、なんていうか、イイカゲンナフマジメサの持つ素晴らしい効果。断然、『河内カルメン』の方に軍配が上がる。勝手に軍配を上げてみたりする。
　明らかにひどい話が繰り返し起こるのに健康的なこの『河内カルメン』がかなり、好き。思い出すのは何故か岡崎京子、喧嘩しようが、血が噴き出ようが、人が死のうが、泣こうが、笑おうが、とにかく、へヴィーなのにメチャクチャテンションが高い。それが映画だし、ストーリーだし、そして、これほど暗い時代に本当に人を元気にさせる作品というのは、こういう作品以外には、ありえない。今は、そう思い込める。そう思い込まずにはいられない作品。
　そういえば佐野浅夫が素晴らしい演技、野川由美子との遣り取りは泣ける。